岡山市南区で糖尿病のご相談なら

糖尿病とは?

糖尿病とは、インスリン(血液中にある糖分を体に取り込むホルモン)が不足したり、上手く作用しなくなったりすることが原因で、血液中の糖分が過剰になる状態が慢性的に続く病気です。

どうして血糖値が高くなる?

糖尿病とは、血液中のブドウ糖(血糖)が長いあいだ高い状態になる病気です。本来、食事でとった糖は「インスリン」というホルモンの働きによって、体のエネルギーとして使われます。しかし糖尿病では、このインスリンが足りなかったり、うまく働かなくなることで、糖が血液中にたまりやすくなります。
これが「血糖値が高い」状態です。

血糖値が高いままだと、体の中の血管や神経に負担がかかり、さまざまな合併症の原因になるため、早めの発見とコントロールが大切です。

糖尿病の種類(1型・2型・妊娠糖尿病)

糖尿病にはいくつかのタイプがあります。
代表的なのは以下の3つです。

  • 1型糖尿病:免疫の異常などにより、膵臓からのインスリン分泌がほとんどなくなるタイプ。子どもから若い世代にもみられます。

  • 2型糖尿病:インスリンの分泌が不足したり効きが悪くなるタイプ。食生活や運動不足などの生活習慣が関係し、最も多く見られます。

  • 妊娠糖尿病:妊娠中にホルモンの影響などで一時的に血糖値が上がるタイプ。出産後に改善する場合もあります。

多くの方は2型糖尿病であり、生活習慣の見直しがとても重要です。

どんな症状が出るの?(初期のサインを含む)

糖尿病の初期は、自覚症状がほとんどないことが多く、「まさか自分が」と感じる方がほとんどです。そのため、健康診断で「血糖値が高め」「HbA1cが基準を超えている」と指摘されて初めて気づくケースも多く見られます。

血糖値が高くなると、体の中では次のような変化が起こります。糖がエネルギーとして使われず血液中に残ることで、体は「エネルギー不足」と判断し、代わりに脂肪や筋肉を分解してエネルギーを作ろうとします。
その結果、次のような症状が現れやすくなります。

  • のどがよく渇く、たくさん水を飲む

  • 尿の回数が増える(夜間尿が多い)

  • 体がだるい、疲れが取れない

  • 食べているのに体重が減る

  • 目のかすみ、視界がぼやける

  • 手足のしびれ、むずむず感がある

  • 傷が治りにくい、感染しやすい

これらの症状は血糖値がある程度高くなってから出ることが多く、初期段階では自覚がないまま進行していることが少なくありません。

特に、食後の強い眠気や集中力の低下、夜間の頻尿、手足の冷えやしびれといった「ちょっとした変化」も、血糖コントロールの乱れが原因の場合があります。

また、年代や生活環境によっても現れ方が異なります。

  • 働き盛りの世代では、ストレスや夜食・外食が多く、慢性的な疲労やだるさで気づかれにくい傾向があります。

  • 女性の場合は、ホルモンバランスの影響や妊娠・更年期をきっかけに血糖値が上がることもあります。

  • 高齢の方では、口の渇きや体重減少、感染症の繰り返しなどがきっかけになることがあります。

こうした体のサインを見逃さず、早めに血液検査を受けることが大切です。
糖尿病は進行してからよりも、初期の段階で生活を整えることで大きく改善が期待できる病気です。

「最近、のどが渇くようになった」「疲れが抜けない」「健診で血糖値が高いと言われた」など、
少しでも気になることがあれば、早めに医療機関で相談してみましょう。
にじいろ内科・小児科クリニックでも、血糖チェックや生活習慣の見直しのご相談を受け付けています。

放置すると起こりやすい合併症

初期の糖尿病は一般的に無症状であるため、発症していることに気がついていない方が多いのが現状です。糖尿病の怖さは、自覚症状が現れた時にはすでに進行していることです。早めに気付いて治療を始めても、自覚症状がないからといって治療を怠ってしまう患者様も少なくありません。 さらに糖尿病が怖いのは、自覚症状が顕著になる頃にはさまざまな合併症が引き起こされている可能性があることです。 糖尿病の症状は、血糖値が改善されれば治まってきますが、合併症は一度発症してしまうと治療が困難になってしまいます。以下の合併症は、糖尿病の3大合併症といわれているものです。

神経障害(糖尿病抹消神経障害および自律神経障害)

糖尿病の合併症として最初に起こりやすい合併症で、足の末端の知覚障害から始まります。片足の指先のしびれから始まり、足の裏へと進行します。 神経障害が悪化すると、痛みを感じなくなります。ちょっとしたケガの傷から細菌が感染し、壊疽(えそ)が起こり、取返しのつかない状態になってしまうケースも少なくありません。 足は清潔に保ち、常に注意を払うようにしましょう。

網膜症(糖尿病網膜症)

糖尿病になると、眼底に出血が生じる糖尿病網膜症を発症しやすくなります。水晶体が濁る白内障も発症しやすくなりますが、網膜症は白内障と違い、治療が困難な病気です。進行するにつれ失明にいたるケースもありますので、注意が必要な合併症の一つです。少なくとも年に一度は眼科の検査を受けましょう。

腎症(糖尿病腎症)

糖尿病が進むと、腎臓もダメージを受けます。血圧が上昇する、尿中にたん白が出る、体がむくむなどの症状があらわれます。さらに症状が進むと、血液中に老廃物がたまり、腎不全や尿毒症など生命にかかわる重篤な症状を引き起こします。腎臓の機能が低下するとやがて腎不全となり、人工透析が必要となります。透析導入の原因の第1位は糖尿病腎症です。

糖尿病の主な原因とは?

糖尿病は、血液中の糖(=血糖)が高くなった状態が長く続く病気です。
初期の段階ではほとんど自覚症状がなく、気づかないまま進行していくことが少なくありません。
「のどが渇く」「尿の回数が多い」「体がだるい」「体重が減る」などの症状に気づくころには、血糖値はすでにかなり高く、病気がある程度進んでいることが多いとされています。

血糖は、私たちが食事からとった糖質が腸で吸収され、血液にのって全身の細胞に運ばれることで、エネルギーとして利用されます。
このとき重要な役割を果たすのが「インスリン」というホルモンです。
インスリンは血液中の糖を細胞に取り込む働きをし、血糖値を下げる唯一のホルモンといわれています。

しかし糖尿病になると、このインスリンが十分に分泌されなかったり、うまく働かなくなったりするため、血液中に糖があふれてしまいます。
これが「高血糖」と呼ばれる状態で、放置すると血管や神経を傷つけ、全身にさまざまな合併症を引き起こす原因になります。

では、なぜインスリンの働きが悪くなるのでしょうか?
その背景には、次のような要因が関係しています。

食事・運動・生活リズムの乱れ

現代社会では、食事・運動・生活リズムの乱れが「インスリンの働きが悪くなる」「血糖が下がりにくくなる」大きな要因として挙げられています。
例えば、肥満・内臓脂肪の蓄積はインスリン抵抗性(インスリンが効きにくい状態)を招き、糖の処理能力を下げてしまいます。実際、レビュー「Obesity, Insulin Resistance, and Type 2 Diabetes: Associations and Therapeutic Implications」では、「肥満は2型糖尿病(T2DM:type 2 diabetes mellitus)の主要な病態因子である」と明記されています。 Dove Medical Press

また「Insulin Resistance: From Mechanisms to Therapeutic Strategies」では、肝臓・筋肉・脂肪組織といった主要なインスリン標的組織において、異所性脂肪の蓄積・細胞内ストレス・炎症がインスリン抵抗性に至るメカニズムとして整理されています。 PMC

さらに、日本における疫学データでは、「労働世代(日本人)ではBMI ≥ 30 kg/m²の肥満者では、30 歳時点で1/3以上が45歳までに2型糖尿病を発症する可能性がある」という報告もあります。 PMC

このように、

  • 食事の過剰(特に高炭水化物・高脂質)

  • 運動不足・長時間座位

  • 夜遅い食事・不規則な生活リズム

が、内臓脂肪を増やし、インスリンの作用を妨げる“土台”になります。
そして、これらが長く続くと、血糖コントロールが乱れ、糖尿病発症のリスクが高まると理解できます。

体質や遺伝の影響

糖尿病には体質・遺伝的な背景も関与しています。特に日本人を含む東アジア人では、欧米人と比べてインスリン分泌が少ない・インスリン感受性が低めという報告があります。レビュー「Insulin Resistance in Type 1 Diabetes: Pathophysiological, Clinical and Therapeutic Relevance」では、1型糖尿病でもインスリン抵抗性が生じるリスクがあることが示唆されています。 OUP Academic

また「Japan Diabetes Complications Study: Revisiting one of the first large‐scale studies…」では、日本人2型糖尿病患者における長期の追跡データがまとめられ、体質や生活習慣が長期予後に影響していることが報告されています。 PubMed

遺伝的体質があるからといって必ず糖尿病になるわけではありませんが、体質として「発症しやすい傾向」があることは把握しておくと良いでしょう。体質を理解したうえで、生活習慣を整えることが予防的に大切です。

ストレスや睡眠不足も関係する?

ストレスを感じると、体内で「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。
このホルモンは血糖を上げる働きを持つため、長く続くストレスは血糖コントロールを乱す原因になります。
また、睡眠不足もインスリンの働きを低下させ、翌日の血糖値を上げやすくするといわれています。

「疲れが取れない」「寝てもすっきりしない」状態が続くと、知らないうちに血糖値が高くなっていることもあります。
しっかり休息をとり、リラックスする時間を意識して作ることも、糖尿病の予防には欠かせません。

日本で増え続ける糖尿病

糖尿病・糖尿病予備群の数は、国内でも無視できない規模の課題となっています。例えば、国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)のデータによると、2021年時点で日本の20~79 歳人口における糖尿病有病者数は約1,100万人、年齢調整有病率は約8.1%とされています。 Diabetes Atlas+1

さらに、日本の労働世代を対象にした研究では、BMI 30 kg/m²以上の男性は30歳時点から45歳までに2型糖尿病を発症する可能性が「1/3以上」と報告されています。 PMC

これらのデータからも、糖尿病は「特別な人だけがなる病気」ではなく、体質・生活・環境の三者が重なった時点で誰にでも起こり得ることが分かります。

健康診断で数値異常が出たら気をつけたいポイント

血糖値・HbA₁cの「要再検査」とは?

健康診断で血糖値や HbA₁c(過去数ヶ月の平均血糖状態を反映)に異常を指摘された場合、すぐに病院での再検査や相談を考えることが重要です。
例えば、日本糖尿病学会(JDS)の「臨床診療ガイドライン2023」では、空腹時血糖値が126 mg/dL以上、または HbA₁c(NGSP値)6.5%以上が糖尿病と診断され得る数字として示されています。
また、「いわゆる予備群(境界型)」として、空腹時血糖100〜125 mg/dLや HbA₁c5.6〜6.4%が指標とされており、早めに生活習慣を見直すべき段階とされています。
こうした指標を「少し高め」と軽く捉えず、「再検査・生活改善を検討すべきサイン」として捉えることが、進行を防ぐ鍵となります。

境界型(予備群)のうちに対策を始めよう

血糖値や HbA₁c が明確な糖尿病基準には達していないものの、高めである「境界型」の段階では、発症を抑えるための行動が特に効果的とされています。
たとえば、JDSガイドラインでは「糖尿病発症リスクが高い人に対し、生活習慣改善の介入が推奨される」と明記されています。
また、社会政策的観点からも、検診結果で “境界を超えそうな” 数値を指摘された人々が医療・生活改善に繋がる仕組みが重要であるという報告があります。
具体的には、「健診で HbA₁c 5.7%以上だった」「空腹時血糖110 mg/dL前後だった」といった状況では、早期に食事・運動・体重管理を開始することで将来の糖尿病発症リスクを下げる可能性が高まります。

放置すると糖尿病に進行するリスク

検査での数値異常をそのままにしておくと、実際に糖尿病に進行する可能性があります。JDSのガイドラインでは、境界型から2型糖尿病へ移行する確率について、「年平均約5〜10%程度」という報告があります。
また、健診データ分析では、空腹時血糖値が126 mg/dL以上または HbA₁cが6.5%以上の人は、2年後・3年後にも適切な受診・改善がされない場合、腎症・網膜症・神経障害などの合併症が現れやすいという報告もあります。
つまり、「結果を見ただけで安心」ではなく、「数値をどう受け止めて、次の行動に移すか」が大切です。

再検査や生活改善の進め方

健診で異常数値を指摘された場合、次のステップとして以下を検討しましょう。

  • まずは医療機関での受診:空腹時・随時血糖、HbA₁c、尿検査、合併症チェックなどを行います。

  • 現状を知ることで、「どこを改善すべきか」が明確になります。

  • 生活習慣の見直し:食事・運動・睡眠・体重管理を個別に相談することが有効です。

  • 定期的なフォロー:数値の変化を確認しながら、段階的に改善を進めることが大切です。

  • 継続を重視:「一時的に頑張る」ではなく、「無理のない習慣づくり」が鍵です。

岡山南区にじいろ内科・小児科クリニック では、健診で血糖値が気になった方のご相談も歓迎しています。岡山市南区の地域密着クリニックとして、駐車場完備で通いやすく、まずは“気になる数値”を一緒に確認するところからサポートします。

当院で行う糖尿病の検査と診断について

糖尿病や糖尿病予備軍を早期に見つけるには、定期的な健康診断と医療機関での血糖チェックが大切です。
糖尿病は初期には自覚症状が少ないため、「血糖値が少し高い」と言われた段階で受診することが、将来の合併症予防につながります。
岡山南区にじいろ内科・小児科クリニックでは、血糖・HbA₁cなどの基本検査をもとに、現在の状態を丁寧に評価しています。

検査の目的と考え方

糖尿病の診断は、高血糖が慢性的に続いているかどうかによって判断されます。
自覚症状(のどの渇き・多尿・疲れなど)が出るころには、すでに血糖値がかなり高くなっていることが多いため、症状が出る前に数値で把握することが重要です。

健康診断などで「血糖が高め」と指摘された場合、医療機関で詳しく検査を受けることが勧められます。当院では、採血によって「現在の血糖状態」と「過去1〜2か月の平均血糖状態」をあわせて確認します。

糖尿病は、何かしらの自覚症状があるかどうか、あるいは「高血糖が慢性的に持続しているかどうか」によって診断することができます。ただし自覚症状が見られる頃にはすでにある程度糖尿病が進行した状態と考えられますので、一般的には健康診断などで「血糖値が高い」と指摘されて、医療機関を受診する方が多いようです。 医療機関では血液検査によって、空腹時血糖(または随時血糖値)と、HbA1cの二つを同時にチェックします。空腹時血糖値(または随時血糖値)は、採血した時点での血糖値を表すものです。一方のHbA1cは、過去1、2ヵ月の血糖値の持続的な値を反映するものです。

主な検査内容

血液検査(空腹時血糖・随時血糖・HbA₁c)

  • 空腹時血糖値:10時間以上食事をとらずに測定した血糖値 → 126mg/dL以上で糖尿病の疑い

  • 随時血糖値:食後を含め、任意のタイミングで採血した血糖値 → 200mg/dL以上で糖尿病の疑い

  • HbA₁c(ヘモグロビンA₁c):過去1〜2か月の血糖状態を示す指標 → 6.5%以上で糖尿病と診断される基準に該当

のいずれか一つでもあれば糖尿病である可能性が高いですので受診をお勧めします。 また、同日の血液検査で①または②があり、③もある場合は糖尿病と診断可能です。
(参考:日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2023」)

経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)

空腹時にブドウ糖を溶かした飲料(75g)を摂取し、2時間後の血糖値の変化を測定します。
この検査は、糖尿病予備群(境界型糖尿病)の発見に有効であり、将来的な糖尿病発症リスクを評価できます。

検査2時間後の血糖値が200mg/dL以上であれば糖尿病、140〜199mg/dLの場合は「境界型」と判断されます。

ただし、自覚症状などから明らかに糖尿病が推測される場合は必要がないとされています。著しい高血糖が認められる方は病状を悪化させてしまうため、受けることはできません。

当院での検査体制

岡山南区にじいろ内科・小児科クリニックでは、採血による血糖・HbA₁c検査のほか、尿検査や合併症チェック(血圧・脂質・腎機能など)もあわせて行っています。
健診結果をお持ちいただければ、数値の変化や今後の生活改善の方向性についても、医師がわかりやすくご説明いたします。

また、境界型(予備群)の方には、生活習慣の改善を中心とした「経過観察プラン」をご提案しています。「まだ治療が必要か分からない」「食事をどこから見直せばいいか不安」という方も、お気軽にご相談ください。

この検査でわかること

  • 今の血糖状態が“正常・予備群・糖尿病”のどこにあるか

  • 将来の糖尿病発症リスク

  • 合併症(腎臓・目・神経・血圧など)の早期変化

糖尿病は「早く見つけて早くコントロールを始める」ことが、何よりの治療です。
当院では、地域のかかりつけ医として、必要な検査をわかりやすくご案内しながら、無理のない形で血糖管理を支援しています。

岡山南区にじいろ内科・小児科クリニックで行う糖尿病の治療方法とは

糖尿病の治療は、血糖値をコントロールすることが目的ではありません。
「数字を下げる」ことよりも大切なのは、健康を維持しながら日常生活を楽しめる状態を続けること
岡山南区にじいろ内科・小児科クリニックでは、患者さんのライフスタイルに寄り添い、制限ではなく調整をキーワードに治療を進めています。

当院の治療の考え方 ― 3つの柱を「あなたの生活に合わせて」

糖尿病の治療は、「数字を下げること」だけがゴールではありません。
本当に大切なのは、血糖値を整えながら、毎日の生活を心地よく続けられることです。
にじいろ内科・小児科クリニックでは、医学的な正確さはもちろん、患者さんの生活背景や気持ちにも寄り添った治療を大切にしています。

「続けられる」食事療法へ

食事療法は糖尿病治療の基本ですが、
「食べちゃいけない」「我慢しなきゃ」と思うほど、長くは続けられません。
当院では、食事を制限ではなく“整える”ものとして考えます。

“できることから少しずつ”を重ねることが、結果的に最も効果的な治療です。
食事は生活の楽しみでもあります。その楽しみを守りながら血糖を整える――それが、にじいろ式の食事療法です。

病気の進行度によって食事指導の内容は変わってきますが、基本的に食べていけないものはありません。注意すべきことは「食べる量・摂取カロリー」であり、制限はあるものの、工夫次第で美味しい食事を楽しむことができます。食事療法が開始されると、定期的に通院し血糖コントロールがうまく行われているかをチェックします。 食事療法は、毎日のちょっとした心がけ次第で効果的に行うことができます。
  • ゆっくりと、よく噛む
  • 1日3食、規則正しい食事
  • バランスよく食べる
  • 腹八分目を心がける
  • 寝る前など、遅い時間の食事は避ける
糖尿病の患者様は、同じ生活習慣病に分類される「高血圧」を予防するために、減塩も心がける必要があります。また、糖尿病腎症が進行した患者さんについては、塩分やたんぱく質、カリウムなどの摂取制限があります。 1日に必要なエネルギー量は、身長と体重、身体活動量で決まります。しかし、性別・年齢・血糖コントロールの状況・合併症の有無によって状況は異なりますので、主治医と相談して決めることになります。 1日に必要なエネルギー量をもとに、三大栄養素である炭水化物・たんぱく質・脂質のほか、ミネラルやビタミンといった栄養素をバランスよく取り入れた食事を心がけましょう。

「義務」ではなく「習慣」にする運動療法

糖尿病治療において、食事療法と並んで生活習慣を改善するために重要なのが、運動療法です。運動することで、ブドウ糖をエネルギーとして消費し肥満を改善されると同時に、筋肉量が増えることもでもインスリンの働きが高まり、血糖値が下がりやすくなる効果が期待できます。また、血圧が安定することで、動脈硬化を防ぎ、合併症の予防にもつながります。 血糖値を下げる運動には、有酸素運動や筋力トレーニングがあります。有酸素運動とは「全身運動」につながる運動で、ウォーキングやジョギング、水泳などがあります。筋肉を維持するためには、筋力トレーニングを取り入れるとより効果的です。 ただし、運動療法を行う際は心臓や腎臓など体に負担がかからないよう、気を付ける必要があります。どのような運動をしたら良いかを主治医に相談し、無理なく継続的に行なうことが大切です。

薬物療法について

糖尿病の治療に使われる薬は、内服薬と注射に分けられます。 1型糖尿病は、インスリンの絶対量が足りないことが原因となりますので、インスリン注射を行うのが一般的です。 一方の2型糖尿病は、食事療法と運動療法を行いながら、必要に応じて内服薬を使うことが多くなります。内服薬の種類は2025年時点で8種類ほどあり、実際の血糖値やHbA1c値のほか、患者様の体格、インスリン分泌能、インスリンへの反応の仕方など、糖尿病の状態によって内服薬を選択します。それでも血糖コントールが十分でない場合は、インスリンなどの注射療法を導入する場合があります。最近ではインスリン以外にGLP-1受容体作動薬という週に1回注射するタイプの注射薬があります。インスリンの分泌を手助けし、体重減少の効果も期待できます。 糖尿病は、なるべく早い段階で治療を開始し、継続させることで改善が期待できる疾患です。合併症予防のためにはHbA1c7.0%未満にすることが重要です。糖尿病と診断されたら、医師の診断のもと治療と定期的な検査を受けましょう。 岡山南区にじいろ内科・小児科クリニックの糖尿病治療は、3つの柱に共通して 「できないことを責めない」「できたことを一緒に喜ぶ」ことを大切にしています。 生活は人それぞれ。 仕事、家族、趣味、体質――どれをとっても同じ人はいません。 私たちは、患者さんの生活を丸ごと理解したうえで、その人のペースで整えていく医療を目指しています。 医療とは、本来「支えるもの」。 治療を“頑張ること”ではなく、“安心して続けられること”へ。 これが、岡山南区にじいろ内科・小児科クリニックが大切にしている糖尿病診療の考え方です。

糖尿病に関してよくある質問(Q&A)

Q1:糖尿病は治りますか?

糖尿病は「完全に治る病気」というより、上手にコントロールして付き合っていく病気です。
早い段階で生活習慣を整え、血糖値を安定させることで、合併症の発症を防ぎ、健康的な生活を続けることができます。
岡山南区にじいろ内科・小児科クリニックでは、無理のない方法で「血糖を安定させる習慣づくり」を一緒にサポートしています。

Q2:お薬を飲み始めると、一生やめられないのですか?

必ずしもそうではありません。
血糖値の状態や生活の見直しの効果によっては、薬を減らしたり、中止できるケースもあります
一方で、血糖値が高い状態が続くと、合併症のリスクが上がるため、必要な期間だけ薬でコントロールすることが大切です。
当院では「できる限り少ない薬で、最大限の安定を」が基本方針です。

Q3:糖尿病の食事制限は厳しいですか?

「食べてはいけないもの」はありません。
大切なのは「食べ方」と「量のバランス」です。
にじいろ内科・小児科クリニックでは、食事を我慢ではなく“整える”ものとして考え、
コンビニ・外食・家庭料理など、それぞれのライフスタイルに合わせたアドバイスを行っています。
楽しみながら続けられる食事が、結果的に最も良い治療になります。

Q4:どのくらいの頻度で通院すればいいですか?

治療開始直後は2〜4週間ごと、血糖コントロールが安定してきたら1〜3か月に1回が目安です。
HbA₁c(過去1〜2か月の平均血糖値)は、2〜3か月単位で変化を確認する必要があるため、定期受診が大切です。
当院では、通院が負担にならないよう、LINEでの予約や柔軟な再診スケジュールにも対応しています。

Q5:仕事や家事が忙しくても治療を続けられますか?

はい、可能です。
にじいろ内科・小児科クリニックでは、「続けられる治療」を第一に考えています。
生活のリズムを伺いながら、できる範囲での運動・食事調整・薬のタイミングなどを一緒に工夫します。
また、駐車場完備でお車でも通いやすく、土曜診療にも対応しているため、無理のないペースで通院いただけます。

Q6:どんな検査をすれば糖尿病かわかりますか?

血液検査で血糖値とHbA₁cを測定し、基準値を超える場合に糖尿病の可能性を判断します。
さらに、必要に応じて75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)や尿検査、腎機能・脂質の確認などを行います。
検査はすべて短時間で行えますので、「健診で血糖値が高かった」という方は、お気軽にご相談ください。

Q7:糖尿病でも甘いものは食べられますか?

食べ方の工夫をすれば、甘いものを完全に禁止する必要はありません
たとえば「量を少なく」「時間を決めて」「食後に少しだけ」といった工夫で、血糖の急上昇を防ぐことができます。
当院では、患者さんの“楽しみを守る食事法”を一緒に考えています。

Q8:運動が苦手でも大丈夫ですか?

もちろん大丈夫です。
特別なトレーニングをしなくても、日常の中で「少し歩く」「階段を使う」「ストレッチをする」など、
小さな積み重ねでも血糖値の改善に効果があります。
当院では、体力や持病に合わせた運動の方法を医師が丁寧にアドバイスしています。

【執筆者】内科医師 今井 佑輔

岡山南区にじいろ内科・小児科クリニック 内科 今井先生

専門資格

  • 医師

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本糖尿病学会

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