梅雨明けが宣言され、暑さが本格的になりそうですね。保育園へ4月から登園を始めたお子さまも保育園に慣れてきた頃かなと思われますが、それと同時にずっと風邪をひいているような気がすると悩まれている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。岡山市南区でも流行がみられている夏風邪について、症状の特徴から受診の目安、お家でのケアまで、詳しくお話ししていきます。
夏風邪ってどんな病気?
「夏風邪」と一口に言っても、実は様々なウイルスが原因で起こる病気の総称です。代表的なものには、ヘルパンギーナ、手足口病、プール熱(咽頭結膜熱)などがあります。これらのウイルスは、湿度の高い夏場に活発になりやすく、お子さんたちの間で感染が広がりやすいという特徴があります。冬の風邪が鼻水や咳、喉の痛みといった呼吸器症状が中心なのに対し、夏風邪は高熱やのどの痛み、発疹、下痢や嘔吐といった消化器症状を伴うことが多いのが特徴です。特に小さなお子さんは、体力の消耗も早く、脱水になりやすいので注意が必要です。岡山市南区でも、保育園や幼稚園、小学校で感染が広がるケースが見られますので、流行状況に合わせた対策が大切になります。
熱だけじゃない! 夏風邪の代表的な症状と見分け方
夏風邪の症状は原因となるウイルスによって異なりますが、いくつか代表的な症状があります。
- ヘルパンギーナ: 突然の38℃以上の高熱と、喉の奥にできる小さな水ぶくれ(水疱)が特徴です。水疱が破れると強い痛みを伴うため、食事が摂りにくくなることがあります。
- 手足口病: 口の中や手足に水疱性の発疹ができるのが特徴です。熱は出ないこともありますが、発熱を伴う場合もあります。特に手のひらや足の裏にできる発疹は、かゆみや痛みを伴うことがあります。
- プール熱(咽頭結膜熱): 発熱、のどの痛み、目の充血(結膜炎)が三大症状です。目やにが多くなったり、目の痛みやゴロゴロ感が続くこともあります。プールを介して感染が広がりやすいことからこの名前がついていますが、タオルや飛沫感染でも広がります。
これらの症状が見られた場合は、単なる「風邪かな?」と自己判断せず、夏風邪の可能性も考慮してあげてください。お子さんの様子をよく観察し、症状の変化に気づいてあげることが大切です。
「この症状は受診のサイン!」 緊急度を見極めるポイント
お子さんの体調不良は心配の種ですが、全ての症状で慌てて受診する必要はありません。しかし、以下のような症状が見られる場合は、早めに小児科を受診することをおすすめします。
- ぐったりして元気がない、意識が朦朧としている
- 水分が全く摂れず、おしっこの量が著しく少ない(脱水の兆候)
- 38.5℃以上の高熱が3日以上続く
- 呼吸が苦しそう、ゼーゼーと苦しい呼吸をしている
- 嘔吐や下痢が頻回で、顔色が悪い
- けいれんを起こした、いつもと様子が明らかに違う
特に小さな赤ちゃんや基礎疾患のあるお子さんの場合は、症状の悪化が早いため、少しでも気になることがあれば迷わずご相談ください。夜間や休日で心配な場合は、夜間・休日診療所の利用や、♯8000の小児救急医療電話相談の活用も検討しましょう。
お家でできること! 夏風邪中の過ごし方とケアのポイント
夏風邪はウイルス性の病気なので、特別な治療薬はありません。症状を和らげながら、お子さん自身の免疫力で治していくことが基本となります。お家でできるケアとしては、以下の点が挙げられます。
- 水分補給をこまめに: 高熱や下痢、嘔吐で脱水になりやすいので、少量ずつでもこまめに水分を与えましょう。経口補水液や麦茶、薄めのイオン飲料などがおすすめです。
- 消化の良い食事を: 熱が高い時やのどが痛い時は、ゼリーやプリン、おかゆ、うどんなど、消化しやすく喉ごしの良いものを選びましょう。無理に食べさせる必要はありませんが、栄養が偏らないように工夫しましょう。
- 安静にする: 熱がある時は無理に遊ばせず、ゆっくり休ませることが大切です。
- 室温・湿度を快適に: 暑すぎず、寒すぎない室温(25~28℃程度)を保ち、湿度も50~60%程度に保つと過ごしやすくなります。
- 清潔を保つ: 感染拡大を防ぐためにも、手洗いをしっかり行い、タオルの共有は避けましょう。
症状が改善してきたら、少しずつ元の生活に戻していきましょう。無理は禁物です。
いつから登園・登校できる? 迷った時の判断基準
夏風邪にかかったお子さんが、いつから保育園や幼稚園、学校に登園・登校できるのかは、保護者の方が最も悩むポイントの一つではないでしょうか。夏風邪は学校保健安全法で定められた「学校感染症」に含まれない場合が多いですが、感染拡大を防ぐためにも、体調が完全に回復するまでは登園・登校を控えるのが基本です。
一般的には、
- 解熱後24時間以上が経過し、平熱が続いていること
- 咳や鼻水などの症状が落ち着いていること
- 食欲があり食事が摂れること
などが目安となります。ただし、症状の種類や重症度、園や学校の方針によって判断が異なる場合がありますので、心配な場合は、かかりつけの小児科医や園・学校に相談して判断するようにしましょう。
まとめ
岡山市南区でも流行が見られる夏風邪は、冬の風邪とは異なる症状が出ることが多く、保護者の方も戸惑うことがあるかもしれません。しかし、症状の特徴を理解し、適切なタイミングで受診すること、そしてお家でのケアをしっかりと行うことで、お子さんの回復をサポートすることができます。
もしお子さんの体調で気になること、心配なことがあれば、一人で抱え込まず、いつでもにじいろクリニックにご相談ください。地域のお子さんたちが健やかに夏を過ごせるよう、全力でサポートいたします。