月別アーカイブ: 2024年1月

肺炎球菌ワクチンについて💉

当院では、各種予防接種を受けることができます。現在の定期予防接種は生後2ヶ月からが開始するのが一般的になっています。生後2ヶ月からできる予防接種のひとつに小児肺炎球菌ワクチンがあります。
肺炎球菌は、乳幼児の鼻咽頭に高率に定着する常在菌です。咳やくしゃみ、会話などで発生する飛沫を介して感染しますが保菌者のすべてが発症するわけではありません。しかし、免疫力の低下などで菌が体内に侵入することで、髄膜炎、敗血症・菌血症、肺炎、中耳炎などさまざまな病気を引き起こし、大人では肺炎になることが多いと言われます。乳幼児の場合は肺炎のほかにも中耳炎や菌が脳を包む膜まで入り込む【細菌性髄膜炎】という怖い病気になることがあります。細菌性髄膜炎などは、本来無菌であるべき部位(血液・髄液など)から菌が入り込む重篤な病気であり、2歳未満の乳幼児で特にリスクが高く、ときに命に係わる状態になると言われています。また救命ができたとしても後遺症を残す可能性もあり、たいへん怖い常在菌になります。
生まれたばかりの赤ちゃんには居ないとされる菌ですが、さまざまな人と触れ合ったり、集団生活で過ごしたりしているうちに保菌者になるため、いつ、だれに肺炎球菌が原因の病気が起きてもおかしくありません。
また、治療で問題となるのが、肺炎球菌に対して抗菌剤が効かない場合があるということです。これまで、日本では子どもの発熱時などに抗菌剤を頻繁に使用していたため、菌が抗菌剤に対して抵抗力を持つようになったことが要因とされます。そのため、病気になって治療をするよりも、かからないことが大切となってきます。
肺炎球菌ワクチンは、これらの重篤な感染症を明確に予防する効果が認められているワクチンです。一般的な予防接種スケジュールでは、生後2ヶ月・生後3か月・生後4か月と1歳を迎えた合計4回の接種が必要になります。
肺炎球菌の感染で重篤になる患者の年齢分布は小児(5歳未満)と高齢者が多いという報告もあり、早期にワクチンを接種し免疫を獲得しておくことが望ましいとされ生後2ヶ月からの接種となっています。前回掲載したロタウイルスワクチンとヒブワクチンと同時に接種が可能なワクチンとなります。
肺炎球菌ワクチンを定期接種として接種できる年齢にも制限があります。接種忘れなどに気付いたら早めに接種を行いましょう。
予防接種

インフルエンザ菌b型(ヒブ)ワクチンについて💉

当院では、各種予防接種を受けることができます。現在の定期予防接種は生後2ヶ月からが開始するのが一般的になっています。生後2ヶ月からできる予防接種のひとつにインフルエンザ菌b型(ヒブ)があります。
インフルエンザ菌と名前がついていますが、現在流行がみられている流行性インフルエンザとは全く別物です。咳やくしゃみ、会話などで発生する飛沫を介して感染し、5歳未満で発症しますが、ほとんどが症状はでないが菌は持っているという無症状保菌者とされます。しかし、一部では菌が血液の中に侵入し、髄膜炎、敗血症、菌血症を伴う肺炎、関節炎、蜂窩織炎、骨髄炎などの無菌の部位に菌が入ることで重篤な症状が起こるとされています。また喉に炎症が起きた際に、喉が腫れてしまい呼吸困難を伴い窒息から死亡に至ってしまう場合もあります。また問題なのが、髄膜炎などを起こした際に抗菌薬治療に対する治療効果が不十分になりやすく予後不良になる場合が多く、命に関わるだけでなく、てんかんや難聴、発育障害などの後遺症を残す可能性も高いとされることです。
ヒブワクチンは、これらの重篤な感染症を明確に予防する効果が認められているワクチンです。一般的な予防接種スケジュールでは、生後2ヶ月・生後3か月・生後4か月と1歳を迎えた合計4回の接種が必要になります。
インフルエンザ菌b型の感染による患者の年齢分布は0歳の報告が最も多く、発生動向は生後8ヶ月にピークが認められたとされるため、早期にワクチンを接種し免疫を獲得しておくことが望ましいとされ生後2ヶ月からの接種となっています。前回掲載したロタウイルスワクチンと同時に接種が可能なワクチンとなります。
ヒブワクチンを定期接種として接種できる年齢にも制限があります。接種忘れなどに気付いたら早めに接種を行いましょう。
予防接種

ロタウイルスワクチンについて

当院では、各種予防接種を受けることができます。現在の定期予防接種は生後2ヶ月からが開始するのが一般的になっています。
生後2ヶ月からできる予防接種のひとつにロタウイルスワクチンがあります。
ロタウイルスとは冬から初春にかけて流行がみられ、5歳までにほとんどすべての乳幼児が、このウイルスに感染します。一度感染しても年齢にかかわらず何度でも感染をします。特に重症化しやすいのは生後6か月から2歳までの乳幼児と言われています。初めてのロタウイルスへの感染の際に症状が重症になりやすく、感染すると2~4日の潜伏期間を経て、嘔吐や水のような下痢を頻回に繰り返し発熱も伴うことも多くあります。通常これらの症状は1週間ほどで落ち着いてくるとされていますが、ときに嘔吐と下痢により体の水分が失われ脱水を起こし、けいれんや肝機能異常、腎不全、脳症などの合併症を引き起こすことがあります。ロタウイルスによる胃腸炎は、他の胃腸炎よりも重症化をしやすく、治療薬もないため入院治療になる可能性も高いです。そのため早期にワクチンを接種することにより、免疫をつけ感染の予防と感染した際の重症化を予防する目的で定期予防接種のひとつとなっています。
現在、使用できるワクチンは【ロタリックス】【ロタテック】の2種類あり、どちらも経口接種となります。これらの違いについてはワクチンに内に含まれるウイルスの型の数と接種する回数、接種ができる週数が異なります。
【ロタリックス】1種類のウイルスが含まれており、2回接種する 出生24週0日までに
【ロタテック】 5種類のウイルスが含まれており、3回接種する 出生32週0日までに
2種類のワクチンの有効性はどちらも認められています。
ワクチンの副反応として注意をするものがあります。それは、腸が腸の中に入り込む「腸重積症」という病気になる確率が、接種後にわずかながらにあがると言われています。腸重積症はワクチンの接種に関わらず1歳未満の乳児に起こりやすい病気のひとつです。ワクチン接種後、1~2週間は特に以下の症状に気をつけてあげてください。
☑泣いたり不機嫌になったりを繰り返す
☑噴水様の嘔吐を繰り返す
☑ぐったりして顔色が悪くなる
☑イチゴジャムのような血便が出る
これらの症状がみられたら、すみやかに医療機関に受診し、ロタウイルスワクチンを接種したことをお伝えください。
ロタウイルスワクチンの接種には定められた期間があり、その期間を過ぎてしまうと接種することができなくなります。決められた期間内に接種するために生後2か月を迎えたら計画的に予防接種を受けていくことをお勧めします。

新年のご挨拶🎍

新年あけましておめでとうございます。
地域の皆さまの温かなご支援のもと、岡山南区にじいろ小児科クリニックは今年も無事に新年を迎えることができました。
新年は本日1月4日(木)より通常通りの診療となります。
今年は待ち時間の短縮と一人でも多くの患者様の診療ができるよう努力してまいります。
2024年も患者さまお一人お一人に合わせた良質なよりよい医療サービスの提供に努めてまいります。

クリスマスにお正月と楽しいイベントが多い時期ですね。新型コロナウイルス感染症も落ち着きをみせ、これまでより帰省やイベントに参加しやすくなりましたね。普段はなかなか会えない方と会えたり、ご馳走をたくさん食べたりする機会も多いと思います。
食べ物がおいしい時期でもありますが、胃腸炎が流行しやすい時期でもあります。
この時期に有名な牡蠣によるノロウイルス胃腸炎はご存じの方も多いと思います。
さまざまなウイルスが原因で起こる胃腸炎は、最初に嘔吐症状や腹痛から始まり、水分や食事が取れなくなり下痢になったり、脱水症状を引き起こしたりする可能性があります。とくに体の水分量が多いとされる子どもは、半日以上、嘔吐が続き、水分が取れないと大人よりも短時間で脱水になりやすいと言われています。
胃腸炎は、嘔吐物や便・だ液などにウイルスが含まれており、そのうえ感染力も強く、アルコールでは消毒効果がありません。次亜塩素酸ナトリウム(哺乳瓶を消毒するときに使用する液)での消毒が効果的です。症状がある人の使用したものは共用しないのはもちろんのことですが、嘔吐物などの処理にはマスク・手袋を着用し、拭いたり、洗うことができるものは次亜塩素酸を薄めたもので拭いたり、浸けおきして洗濯するのが効果的です。掃除には可能な限り次亜塩素酸を使用してください。

胃腸炎だけでなく冬はさまざまな感染症が流行します。
感染対策をして今年も健康に楽しく過ごしましょう😊☃️