月別アーカイブ: 2025年1月

鶏卵アレルギーについて🥚

はじめに大切なこと
※離乳食の開始前に食物アレルギーの検査をご希望される保護者さまもおられますが、当院ではお勧めしておりません。血液検査の値はあくまでも目安であり、血液検査のみで食物アレルギーの診断はできません。血液検査で反応があっても実際には摂取しても症状がない場合、その逆に反応がなくても摂取すると症状がでてしまう場合もあります。
これからさまざまな食感や食物に触れていくお子さまの豊かな食生活のために、適切な時期から少量ずつさまざまな食物を試してみてあげてください!アレルギーを懸念して摂取の開始時期を遅らせたりしても、食物アレルギーを予防することにはつながりません。

乳児期に食物アレルギーの原因になりやすい『鶏卵について』です。
鶏卵アレルギーについてお話をする前に離乳食開始のポイントをお伝えします。
離乳食の開始は生後5〜6ヶ月頃と言われていますが、
▷首が座っていて寝返りができる
▷スプーンなどを口に入れても舌で押し出さなくなる
▷近くで食事をしていると目で追いかけたり、よだれが増える
などの発育状況や食事への興味が出てくると開始するポイントになります。
10倍のつぶし粥⇒すりつぶしたお野菜⇒お豆腐・白身魚などのタンパク質を少量から試します。
※発育や発達には個人差があるので、月齢はひとつの目安です!
※初めての食材を食べさせる時はお子さんの体調や機嫌が良く、平日の朝など何か症状が出ても病院が開いている時がおすすめです (授乳・離乳の支援ガイド2019年版 参考)!

卵の栄養素は『タンパク質』です。
▷▷離乳食初期(生後5〜6ヶ月ごろ)から少量ずつ加熱卵黄から試す
▷▷加熱卵黄が1個分(Mサイズの卵:約15g)問題なく食べることができたら少量ずつ加熱卵白を試す
▷▷加熱時間が長く、加熱温度が高い調理法によりアレルギーを起こしにくくなる
(例:20分以上加熱したゆでたまご)
▷▷溶き卵や茶碗蒸しなどの半熟になりやすい食品はアレルギーが起こりやすい
▷▷年齢と共に食べることができるようになるお子さんの割合が高い
▷▷卵が食べられなくてもお肉やお豆腐・お魚などでタンパク質は補うことができる
▷▷ハンバーグのつなぎなどは片栗粉やジャガイモのすりおろしで代用ができる
▷▷最近は卵不使用の加工品(マヨネーズやハムなど)も販売されている

鶏卵アレルギーについてです。
・乳児期における食物アレルギーの原因の第1位
・卵黄よりも卵白でのアレルギーが起こりやすい
・加熱することによりアレルギー症状が出にくくなる
・うずらの卵でもアレルギー症状が出ることがある
・近年は卵黄摂取後、2~3時間経過した時に嘔吐症状がみられる『消化管アレルギー』タイプのアレルギーが増加している

胃腸炎が増えてきています😰

1月に入り下痢や嘔吐症状で受診される患者さまが増加傾向にあります。胃腸炎の症状を引き起こすとされるウイルスや菌は多数あります。
当院では、多数あるウイルスの中でもアデノウイルス、ノロウイルス、ロタウイルスも迅速検査が可能です。年齢等で実施できない検査もありますが、これらのウイルスは嘔吐症状が激しくみられたり、下痢が長引いたりする傾向にあります。乳幼児が罹ると重症化しやすいとされるロタウイルスは、生後2ヶ月から開始する定期接種ワクチンの一つであるロタウイルスワクチンで重症化を予防しています。症状が重く血便が見られるような場合は、必要時には精密な検査をすることもあります。
さまざまなウイルスや菌が原因で起こる胃腸炎は、最初に嘔吐症状や腹痛から始まり、水分や食事が取れなくなり、嘔吐が落ち着いてくる頃に下痢になったりすることで、ひどい時には脱水症状を引き起こしたりする可能性があります。とくに体の水分量が多いとされる子どもは、半日以上、嘔吐が続き、水分が取れないと大人よりも短時間で脱水になりやすいと言われています。
脱水症状の所見としては、ぐったりしている、目がくぼんで見える、尿が半日以上でない、泣いても涙がでない、大泉門がくぼんで見える(乳児のみ)などを観察して頂き、早期に病院受診をしましょう。
食事が取れないと不安になる親御さんもいらっしゃると思いますが、胃腸炎の症状があるときは脱水を引き起こさないためにも、水分が取れるかどうかに留意してください。水分も取れない状態で食事を開始しようとしても胃の受け入れができず、さらに嘔吐を引き起こしかねません。水分は一度に多量に取るのではなく、キャップ1杯分の量から飲水し、徐々に1回量を増やしていくという【少量を頻回に】がポイントとなります。また、水分もお茶や水ではなく、経口補水液など体に吸収されやすく、電解質のバランスを整えてくれるようなものを推奨しています。お茶や水には、糖分が含まれておらず嘔吐や下痢によって体内から奪われている電解質を補うことができず、低血糖になったりすることもあります。少量の水分を飲水しただけでも嘔吐を繰り返すようであれば、必要時は点滴などで水分を体にいれてあげる処置が必要なこともありますので、早めに病院を受診しましょう。
胃腸炎は、嘔吐物や便・だ液などにウイルスが含まれており、そのうえ感染力も強く、アルコールでは消毒効果がありません。次亜塩素酸ナトリウム(哺乳瓶を消毒するときに使用する液)での消毒が効果的です。症状がある人の使用したものは共用しないのはもちろんのことですが、嘔吐物などの処理にはマスク・手袋を着用し、拭いたり、洗うことができるものは次亜塩素酸を薄めたもので拭いたり、浸けおきして洗濯するのが効果的です。掃除には可能な限り次亜塩素酸を使用してください。

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)について

ヒトメタニューモウイルス(hMPV)という言葉を最近、耳にされましたか?
現在、中華人民共和国で流行していると言われています。
ヒトメタニューモウイルスは、2001年に発見された比較的新しいウイルスです。一般的には1~3歳の幼児で流行が見られる感染症で、5歳までに約半数以上の子どもが感染すると言われています。成人もほとんどの方が一度は感染し抗体を持っていると言われており、感染していても症状が軽微でいわゆる『鼻かぜ』程度で済んでいると言われています。呼吸器疾患のひとつであり、幼児や高齢者、免疫力の低下した人では上気道炎や気管支炎、肺炎などの下気道炎の重症化につながる可能性があります。
ヒトメタニューモウイルスは、感染者から他の人へ、以下のような経路で伝播する可能性が高いと言われています。
・咳やくしゃみによる分泌物
・手を触れたり、握手したりするなどの直接的な接触
・ウイルスが付着した物や表面に触れた後、口、鼻、目に触れる際に感染するリスクがあがる
潜伏期間は明確ではありませんが、約5~9日のことが多いです。
発症後、数日間、もっとも感染力が高いと考えられます。

小児では、気管支炎、肺炎、喘息憎悪、クループ、上気道感染症、急性中耳炎を引き起こすことがあり、発熱を伴うこともあります。成人では慢性閉塞性肺疾患(COPD)の急性増悪や肺炎と関連しており免疫力の低い人が感染すると、重症化することがあります。
一般的な症状は
〇咳
〇鼻づまり
〇発熱
〇息切れ
発熱や咳が1週間以上続いたり、呼吸困難感を感じたり、安静時の呼吸が『ゼーゼー』『ヒューヒュー』などの喘鳴がする場合は、重症化の可能性がありますので早めに病院受診をしましょう。
ヒトメタニューモウイルスには特効薬はなく、症状に合わせてお薬を使って症状の改善をみていきます。登校や登園に関する具体的な決まりはありません。しかし、それぞれの学校や園で独自に登園のめやすについての規則を設けている場合がありますので、ヒトメタニューモウイルス感染症の診断を受けた際は報告をしておきましょう。感染後2週間程はウイルスが排出され続けると言われています。頻回に咳をしている、喘鳴がみられている、呼吸器の症状は無くても食事や水分が満足に摂れない間はお休みをしていただくことをお勧めします。

新年のご挨拶🎍

新年あけましておめでとうございます。
地域の皆さまの温かなご支援のもと、岡山南区にじいろ小児科クリニックは今年も無事に新年を迎えることができました。
新年は明日1月6日(月)より通常通りの診療となります。
今年は待ち時間の短縮と一人でも多くの患者様の診療ができるよう努力してまいります。
2025年も患者さまお一人おひとりに合わせた良質なよりよい医療サービスの提供に努めてまいります。

2025年1月より1月6日(月)を除く、月曜日及び木曜日の午後診療は18時から医師が1人体制での診察になるため、通常よりも待ち時間が長くなることが予測されます。
2024年10月21日(月)より変更しておりました直接来院での受付終了時間が、2025年1月20日(月)から以前と同様に戻ります。
★アイチケットでの受付開始は、午前7時30分、午後2時となります。
★電話での受付開始は、午前8時45分、午後2時15分からとなります。
★直接来院での受付開始は電話と同時間となりますが、受付終了が午前12時、午後17時30分までに戻ります。
受付時間の変更に伴い大変なご迷惑をおかけしておりましたことお詫び申し上げます。

クリスマスにお正月と楽しいイベントが多い時期ですね。普段はなかなか会えない方と会えたり、ご馳走をたくさん食べたりする機会も多いと思います。
食べ物がおいしい時期でもありますが、胃腸炎が流行しやすい時期でもあります。
この時期に有名な牡蠣によるノロウイルス胃腸炎はご存じの方も多いと思います。
さまざまなウイルスが原因で起こる胃腸炎は、最初に嘔吐症状や腹痛から始まり、水分や食事が取れなくなり下痢になったり、脱水症状を引き起こしたりする可能性があります。とくに体の水分量が多いとされる子どもは、半日以上、嘔吐が続き、水分が取れないと大人よりも短時間で脱水になりやすいと言われています。
胃腸炎は、嘔吐物や便・だ液などにウイルスが含まれており、そのうえ感染力も強く、アルコールでは消毒効果がありません。次亜塩素酸ナトリウム(哺乳瓶を消毒するときに使用する液)での消毒が効果的です。症状がある人の使用したものは共用しないのはもちろんのことですが、嘔吐物などの処理にはマスク・手袋を着用し、拭いたり、洗うことができるものは次亜塩素酸を薄めたもので拭いたり、浸けおきして洗濯するのが効果的です。掃除には可能な限り次亜塩素酸を使用してください。
胃腸炎だけでなく冬はさまざまな感染症が流行します。
感染対策をして今年も健康に楽しく過ごしましょう☃️