月別アーカイブ: 2024年4月

牛乳アレルギーについて

今日は食物アレルギーの原因になりやすい『牛乳について』です。
離乳食開始のポイントについては、4月19日(金)に記載しております。
良ければご参照ください。

牛乳の栄養素は『カルシウム』です。
▷▷離乳食中期(生後7〜8ヶ月ごろ)から少量ずつ加熱牛乳やベビー用ヨーグルトを試す
▷▷チーズなどは種類により乳成分が濃縮されているため、少量摂取でもアレルギー症状が出やすい場合がある
▷▷卵とは異なり、加熱をしてもアレルギー症状の出やすさは変わらない
▷▷非加熱の牛乳の開始は1歳ごろが目安
▷▷市販の粉ミルクで、乳アレルギーに対応した種類がある
※医師の判断のもと使用を推奨!
▷▷乳成分を含まない商品も販売されている
  (シチューのルウなど)
▷▷年齢と共に摂取できるようになるお子さんの割合が高い
▷▷乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)と牛乳アレルギーは別物
▷▷カルシウム不足は発育や発達への影響もあるため、その他の食品でカルシウムを補う

牛乳以外のカルシウムを多く含んだ食品
▷大豆類(納豆・木綿豆腐など)
▷魚介類(しらす・さくらえびなど)
▷海藻(ひじきなど)
▷野菜(小松菜・モロヘイヤ・水菜など)
▷カルシウム強化した栄養機能食品

牛乳アレルギーの方が避ける必要のない食品
食品表示の中に紛らわしい表示があります。
◇乳化剤
◇乳酸カルシウム
◇乳酸菌
◇乳糖       etc…
例えば『乳化剤』は、混ざりにくい2つ以上の液体を乳液状にするための添加物です。
『乳』と付いていると誤解しやすいですが、“表示の内容を正しく理解する”ことも大切です。
食物アレルギー

鶏卵アレルギーについて

今日は食物アレルギーの原因になりやすい『鶏卵について』です。

鶏卵アレルギーについてお話をする前に離乳食開始のポイントをお伝えします。
離乳食の開始は生後5〜6ヶ月頃と言われていますが、
▷首が座っていて寝返りができる
▷スプーンなどを口に入れても舌で押し出さなくなる
▷近くで食事をしていると目で追いかけたり、よだれが増える
などの発育状況や食事への興味が出てくると開始するポイントになります。
10倍のつぶし粥⇒すりつぶしたお野菜⇒お豆腐・白身魚などのタンパク質を少量から試します。
※発育や発達には個人差があるので、月齢はひとつの目安です!
※初めての食材を食べさせる時はお子さんの体調や機嫌が良く、平日の朝など何か症状が出ても病院が開いている時がおすすめです
(授乳・離乳の支援ガイド2019年版 参考)!

卵の栄養素は『タンパク質』です。
▷▷離乳食初期(生後5〜6ヶ月ごろ)から少量ずつ加熱卵黄から試す
▷▷加熱卵黄が1個分(Mサイズの卵:約15g)問題なく食べることができたら少量ずつ加熱卵白を試す
▷▷加熱時間が長く、加熱温度が高い調理法によりアレルギーを起こしにくくなる
(例:20分以上加熱したゆでたまご)
▷▷溶き卵や茶碗蒸しなどの半熟になりやすい食品はアレルギーが起こりやすい
▷▷年齢と共に食べることができるようになるお子さんの割合が高い
▷▷卵が食べられなくてもお肉やお豆腐・お魚などでタンパク質は補うことができる
▷▷ハンバーグのつなぎなどは片栗粉やジャガイモのすりおろしで代用ができる
▷▷最近は卵不使用の加工品(マヨネーズやハムなど)も販売されている

鶏卵アレルギーについてです。
・乳児期における食物アレルギーの原因の第1位
・卵黄よりも卵白でのアレルギーが起こりやすい
・加熱することによりアレルギー症状が出にくくなる
・うずらの卵でもアレルギー症状が出ることがある
・近年は卵黄摂取後、2~3時間経過した時に嘔吐症状がみられる『消化管アレルギー』タイプのアレルギーが増加している
食物アレルギー

食物アレルギーについて

『食物アレルギー』について皆さんも一度は聞いたことがありますよね。
当クリニックの竹本院長はアレルギー専門医であり、食物アレルギーを初め、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の診療を数多く経験されております。ホームページなどをご覧になり、当クリニックを受診してくださる方も増えてきております。
アレルギー疾患のひとつである食物アレルギーについてお話をしていきたいと思います 。
まず食物アレルギーの原因となりやすい食物について書きたいと思います。年齢により原因となりうる食物には違いがありますが、最近の特徴としては、低年齢での”くるみ”や”カシューナッツ”、 “アーモンド”などの『木の実類』が原因となることが増えています 。
昨今の健康志向により、木の実類を早くから摂取することも要因とされています。
また、クッキーやチョコレートに入っていて、知らないあいだに摂取していることもあります。
食品表示法に基づき食物アレルギーの原因となりやすい8大食物(鶏卵、牛乳、小麦、ナッツ類、落花生、そば、えび、かに)の表記は義務付けられていますが、お店内で作られて販売している、イベントに出店しているお店などで購入するものには表記がされていないことも多く、食物アレルギーがある方は注意が必要な場合があります 。よく勘違いされやすい落花生(ピーナッツ)は、ナッツ類とは別物で『豆類』に分類されます。
次回からは、8大原因食物についてそれぞれの特徴を順にまとめさせていただこうと思います。
食物アレルギー

おたふくかぜワクチンについて💉

当院では、各種予防接種を受けることができます。現在の定期予防接種は生後2ヶ月からが開始するのが一般的になっています。
一般的に、1歳になったら接種できるワクチンにおたふくかぜ(ムンプス)ワクチンがあります。おたふくかぜは、流行性耳下腺炎あるいはムンプスとも呼ばれ、ムンプスウイルスの感染によって起こる感染症です。主な症状は発熱と唾液腺(とくに耳下腺)の腫れ、痛みです。感染した人の約3割は感染しても明らかな症状がでません。感染するのは基本的には飛沫感染(唾液など)で、周囲の人に感染させる可能性がある期間は、耳下腺腫脹の6日前から耳下腺・顎下腺・舌下線の腫脹が発現してからほぼ5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで出席停止となりますが出席停止などに関する決まりはありません。
発症の好発年齢は4~5歳が最も多く、次いで2~3歳、6~7歳の順で、報告の約70%が3~7歳とされ、子どもに起こりやすい病気の1つであることが分かります。2~3週間の潜伏期(平均18日前後)とされます。合併症としては、精巣炎、卵巣炎、膵炎、腎炎、髄膜炎、髄膜脳炎および感音性難聴などがあります。思春期以降に初めて感染すると、精巣炎(20~40%)や卵巣炎(5%)の合併頻度が高くなり、精巣炎を合併した場合には様々な程度の睾丸萎縮を伴い、精子数は減少しますが不妊症の原因となるのは稀です。また、腺組織では唾液腺のほか膵臓に炎症を起こすことがあります。
髄膜炎は合併症として珍しくなく、おたふくかぜの経過中の発熱、頭痛、嘔吐は髄膜炎を疑う症状として注意が必要です。ただし、髄膜炎の症状がなくても髄液細胞数の増加がみられたり、ウイルスが検出されたりすることもあります。感音性難聴はおたふくかぜの重要な合併症で、発症すると聴力の回復は困難でおたふくかぜの合併症として最も警戒すべきものの1つと考えられています。
国内では4~6年周期で流行が報告されていましたが、ここ数年間流行はみられません。
おたふくかぜのワクチンは現在、定期接種のワクチンではなく、任意接種となっています。接種には料金がかかります。接種の標準的なスケジュールは、麻しん・風しん(MR)ワクチンと同時で、1回目は1歳になったら早期に、2回目を年長さんに接種するのを推奨しています。過去には1回で十分とされていましたが、1回のみ接種している国ではおたふくかぜの発症率予防が88%減少し、2回接種している国では発症率予防が99%まで上昇したことが分かっており、現在は2回接種することを推奨されています。
予防接種

画像元:日本小児科学会より抜粋