ヒートショックを防ぐ!冬の入浴3つのコツ

ご家庭で確認!ヒートショックを防ぐ入浴の3つのコツ

寒い季節、皆様も「お風呂でリラックスしたい」と感じる機会が増えているのではないでしょうか。しかし、冬場の浴室は急激な温度変化による「ヒートショック」のリスクが潜む場所でもあります。特に30代から60代の方々にとって、ご自身の健康はもちろん、同居する親御さんの体調管理も気になる時期ですよね。今回は、ご自宅で今日から実践できる、安全で快適な入浴のコツを内科医の視点でお伝えします。


1. 意外と知らない「ヒートショック」の正体と、冬の寒暖差

「ヒートショック」とは、急激な温度の変化によって血圧が乱高下し、心臓や脳に大きな負担がかかる現象です。冬場は朝晩の冷え込みが厳しくなる日も珍しくありません。

暖かい居間から、暖房のない冷え切った脱衣所へ移動し、さらに熱いお湯に浸かる。この一連の流れが、血管に「ジェットコースター」のような刺激を与えてしまいます。特に血圧が高めの方や、最近疲れが取れにくいと感じている世代の方は、体が温度差に対応しきれず、立ちくらみや失神を起こす危険があるため、決して他人事ではありません。まずは「浴室の寒さは体への攻撃」と意識することから始めましょう。

2. コツ①:脱衣所と浴室を「先に」温めておく工夫

一番の対策は、家の中の温度差(ヒートショック・ゾーン)をなくすことです。「お風呂に入る直前に服を脱ぐ」のではなく、入る15分前から脱衣所を小型のセラミックヒーターなどで温めておきましょう。

また、浴室自体を温めるのも効果的です。シャワーを使って高い位置からお湯を浴槽に溜めたり、お風呂の蓋を開けておくだけでも湯気で室温が上がります。

浴室に窓があるタイプのお宅も多いですが、窓からの冷気は想像以上に強力です。断熱シートを貼る、あるいは「入浴前に浴室をミストサウナ状態にする」といった一手間で、血管への負担を劇的に減らすことができます。

3. コツ②:お湯の温度は「41度以下」が健康のボーダーライン

寒い日は「42度以上の熱いお湯に肩まで浸かりたい」というお気持ち、よく分かります。しかし、熱すぎるお湯は交感神経を刺激し、血圧を一気に上昇させてしまいます。

健康を守るための理想的な設定温度は41度以下です。40度前後のお湯に10〜15分ほど、じんわりと浸かることで、副交感神経が優位になり、リラックス効果と睡眠の質の向上も期待できます。また、いきなり浴槽に入るのではなく、手足の先から「かけ湯」をして、体を温度に慣らすことも忘れないでください。この「ワンクッション」が、心臓への急激な負荷を防ぐ、最も簡単で重要な防御策になります。

4. コツ③:入浴前後の「コップ一杯の水」が血圧を安定させる

入浴中、体は思った以上に汗をかいています。水分が失われて血液がドロドロの状態になると、血栓ができやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。

入浴の前後には、必ずコップ一杯の水分補給を行いましょう。このとき、冷たすぎる水よりも、常温の水や白湯が胃腸に優しくおすすめです。特に30代〜40代の働き盛り世代の方は「お風呂上がりのビール」が楽しみかもしれませんが、アルコールには利尿作用があり、逆に脱水を助長してしまいます。晩酌は入浴後、水分をしっかり摂って落ち着いてから、適量を心掛けるのが健やかな内科的習慣の第一歩です。

5. 「家族のルール」で守る、冬の安心バスタイム

ヒートショック対策は、一人で行うよりもご家族で声を掛け合うのが一番です。「今からお風呂に入るよ」と一言伝え、長時間出てこない場合は家族が様子を見る。そんな何気ないコミュニケーションが、万が一の際の早期発見に繋がります。

にじいろクリニックを訪れる患者様の中にも、「最近お風呂上がりに動悸がする」「血圧が不安定で不安」と相談される方が増えています。少しでも異変を感じたら、我慢せずに私たちにご相談ください。皆様が、冬の夜を安心して過ごせるよう、地域のかかりつけ医としてサポートさせていただきます。