タミフルは必要?知っておきたい薬と副作用の話

お子さまがインフルエンザと診断されたとき、「タミフルは飲ませたほうがいいの?」「異常行動のニュースを見たことがあるけれど大丈夫?」と、薬に対して不安を感じる保護者の方は少なくありません。岡山市でも、冬から春先にかけてインフルエンザが流行する時期は、多くのお母さん・お父さんから同様のご相談をいただきます。今回は、大切なお子さまを守るために知っておきたい、インフルエンザ薬の正しい知識についてお話しします。


そもそもタミフルってどんな薬?「飲む・飲まない」の判断基準

タミフルは、インフルエンザウイルスの増殖を抑える「抗インフルエンザ薬」です。ウイルスを直接死滅させるわけではなく、体内で増えるのを防ぐ役割を持っています。そのため、発症から48時間以内に服用を開始することが最も効果的とされています。

小児科医としての判断基準は、主に「重症化のリスク」と「症状の辛さ」です。

  • 服用をおすすめする場合: 高熱でぐったりしている、水分が摂れない、喘息などの持病がある。

  • 慎重に検討する場合: 比較的元気がある、発症から既に数日が経過している。

最近では必ずしも全員が飲む必要はないという考え方もありますが、お子さまの体力を温存し、脳症などの合併症を防ぐ観点から処方することが多いお薬です。

気になる「異常行動」の不安…自宅で気をつけるべきポイント

保護者の方が一番心配されるのが、急に走り出したり意味のわからないことを言ったりする「異常行動」ではないでしょうか。かつてはタミフルの副作用と疑われた時期もありましたが、現在では**「薬の有無に関わらず、インフルエンザの高熱そのもの」**によって起こることが分かっています。

特に発熱から2日間は、以下の対策を心がけてください。

  • 1階で寝かせる: 2階の寝室で寝かせている場合、不意に階段を降りたり窓から飛び出したりするリスクを避けるため、できるだけ1階で目の届く範囲で見守りましょう。

  • 窓や玄関に鍵をかける: 玄関や窓の鍵をしっかり閉め、お子さまが一人で外に出ない工夫をしてください。

  • 目を離さない: 家事の間も、声をかけられる距離にいることが大切です。

異常行動は数分で収まることが多いですが、もし数十分続くようであればすぐにご連絡ください。

吐き気や下痢も?タミフル服用中によくある副作用と対処法

タミフルの主な副作用として、腹痛、下痢、吐き気などの消化器症状が挙げられます。特にお子さまの場合、飲み始めに「お腹が痛い」「少し吐いてしまった」という症状が出ることがあります。

もし服用後に吐いてしまった場合、以下の目安を参考にしてください。

  • 飲んで30分以上経っている: すでに成分が吸収されている可能性が高いため、追加で飲む必要はありません。

  • 飲んですぐ吐いた: 1回分を飲み直す必要があるか、お電話で状況を教えてください。

下痢や腹痛がひどく、水分も摂れないほどであれば、無理に服用を続けず医師に相談しましょう。また、飲み合わせが気になる場合は、当院でお出しするお薬手帳を確認しながら調整しますのでご安心くださいね。

登園・登校ルール「いつから行ってもいいの?」

インフルエンザにかかると、学校保健安全法によって出席停止期間が定められています。基本的には**「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」**がお休み期間です。

学校保健法に基づき幼稚園や保育園、小学校、中学校では発症から治癒までの隔離期間が設けられています。

  • 発症日(熱が出た日)は「0日」と数える

  • 解熱日(平熱に戻った日)もしっかりカウントする

「熱が下がったから明日から行ける!」と思いがちですが、体内のウイルスはまだ消えていません。周りのお友達に広げないためにも、またお子さま自身の体力を回復させるためにも、この期間はしっかり自宅で静養しましょう。登園許可証が必要な場合は、隔離期間終了後にお子さまと共に受診をしていただき診察後に記載をさせていただきます。

「薬を飲めば安心」ではない!家庭でできる大切なホームケア

お薬はあくまでサポート役。一番の治療は、お子さま自身の免疫力がウイルスと戦いやすくする環境づくりです。冬場に乾燥しやすいため、加湿器などを活用して室温・湿度を適切に保つのがコツです。

自宅でのケアのポイントは3つです。

  1. こまめな水分補給: お茶、スポーツ飲料、経口補水液など、飲めるものを少しずつ。

  2. 消化の良い食事: 食欲がなければゼリーやうどんなど、喉ごしの良いものを。

  3. 室内の加湿(湿度50〜60%): ウイルスは乾燥を好みます。濡れタオルを干すだけでも効果があります。

「いつもと様子が違う」「視線が合わない」「呼吸が苦しそう」と感じたら、夜間であっても救急外来や当院の診療時間内に迷わず相談してください。


まとめ

インフルエンザの薬は、正しく理解して使えばお子さまの辛さを和らげる強い味方になります。副作用を過度に怖がる必要はありませんが、しっかりと見守りを行うことが大切です。皆さまが安心して冬を越せるよう、私たち「にじいろクリニック」が全力でサポートいたします。少しでも不安なことがあれば、いつでもご相談くださいね。